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いつも笑顔でいたいから

arnulf.exblog.jp

熟年離婚、その後。

笑えない話 

会社がいよいよ本当に笑えない状況になった。
残念ながら今回の大震災が原因の1つである。

ここの自社ビルは古く、新しい耐震基準の建物ではない。
そんなことからも近い将来の建て直しが必要なのだが
社長の息子はすでに大手企業に就職しており
跡を継いで3代目になる気は全くない。
と言うことで、テナントが全て出た時点でビルを売り
自分の代で会社を終わりにしよう・・・
と社長は考えていたようだ。

震災前、すでに世の中が不景気になり始めてから
2つのテナントが解約となり
1つのテナントは2フロアの使用を止め1フロアになった。
その後は手を入れていないため空室のままだ。

そこへ震度5の揺れが発生し、多少の差はあるものの
乗せてあるだけの天井は落ち、壁にはヒビが入った。
現在いる1番大きなテナントは来年の予定を早め
年内に解約する旨をGW明けに通告してきた。
社長は茫然とした。
最近、別のビルの輸入家具屋の撤退で
すでに資金繰りは苦しくなっており
今回のことで借金の返済が難しくなったからだ。

幸い、会社の所有する不動産は他にもある。
社長が姉弟で所有する物件も別にいくつかあり
それらのどれかを処分すれば済む話である。
社長はさっそく一等地に建つビルの売却を考えた。
ところがこれがそう簡単には行かないのだ。

現在、そのビルには3階と4階にそれぞれ1人ずつ
どちらも独身の社長の姉たちが住んでいる。
ビルは会社の持ち物なのだが
その姉たちは自分たちには住む権利が当然あると
家賃も払わず、タダで暮らしている。
税務署から指摘されても全くの無視だ。

それぞれの部屋は3LDKだか4LDKだかで
リビングは30畳の広さがゆうにある。
そもそもそこへ1人ずつで住むこと自体ふざけているが
弟である社長は何も言えない。
常識が通じる姉たちではないのである。

父親である初代の社長は亡くなっているが
その姉たちは今もその父親を怨んでいると言う。
「親のクセに私たちに家を1軒ずつ遺さなかった」
と言うのが理由だというから驚きを超えて呆れる。

そんな姉たちを相手に社長は、現在住むビルから
姉弟で所有する別の家へ引っ越してくれと言った。
そちらは一等住宅地にある外人用住宅で
何年か前に大使が帰国してからはずっと空いている。
2人一緒に住んだところで十分過ぎる広さがあるのだ。

けれど姉たちは一緒に住むのはイヤだと言い
外人住宅を取り壊して2軒の家を建てろと言って来た。
できないなら絶対に出て行くもんかと
現在は嫁に行った真ん中の姉も加わり抵抗している。

けれどそこを売らなければ
会社間違いなく近い将来潰れるだろう。
それでも自分第1に考える社長であるだけに
すでに廃止したボーナスだけでなく給料も減らし
最終的には思いとどまった
3つのお店の閉店を再び言い出すかもしれない。

友人たちには転職を希望していることを話し
私にできる仕事があれば紹介してほしいと頼んでいる。
けれどどう考えても難しいだろう。
by arnulfstr | 2011-05-17 16:28 | 会社